11月28日(土)、午後1:30からカトリック教会マリア大聖堂(玉造教会)において「『思いやりのまち』大阪を創ろう!!市民フォーラム-大阪希望館支援フォーラム-」を開催しました。宗教者の皆さんをはじめ322人の方に参加をいただきました。
フォーラムの開会にあたり、実行委員長の林和則神父(カトリック大阪教区社会活動センター・シナピス センター長)が挨拶に立ち、「私の属するカトリック教会には東南アジアや南米の国々などから来られた多くの外国人の信徒の方が在籍しています。その方々から『日本の中で大阪が一番住みやすい』という声をよく耳にします。それは大阪が社会的弱者に優しいまちだからだと思います。このフォーラムを通して大阪の持つ『思いやり』の心を生かす『大阪希望館』の運動を大阪のまちに暮らす人たちに広げていきましょう」と訴えられました。
第1部は廣畑涙嘉(ひろはた・るか)牧師によるトーク&ライブ「明日はきっと訪れる-『痛み』を抱えて生きているすべての若者たちへ-」。廣畑さんはすばらしいシャンソンの歌声とともに、「性同一性障害」という個性に悩み、死を考えた日々を経て、「差別とはキリスト教でいう原罪のようなもの。誰も差別してしまう心から逃れられない。だからマザーテレサは愛しなさい、傷つくまで愛しなさいと仰った」と差別を愛によって乗り越えた経験を語られました。
第2部の「大阪希望館」の現状紹介では、大阪希望館利用者やその後自立した皆さん7人も発言。それぞれの現況とともに「希望館ようなところがあることを知らずに苦しんでいる人がまだたくさんいる。その人たちにも支援の手が届くように取り組みを広げて欲しい」と訴えました。
第3部のパネルセッション「『思いやり』社会の実現に向けて」では、引きこもり30年から脱出した経験を持つ鈴木友宏さん、西成高校教諭の近藤美登志さん、浄土宗應典院主幹の山口洋典さん、天理大学おやさと研究所教授の金子昭さんの4名のパネラーが討論しました。このパネルセッションの詳しい内容については後日お知らせします。
最後に、大阪希望館名誉館長の難波利三氏からこのフォーラムに寄せていただいたメッセージをご紹介します。
大阪希望館 支援集会に寄せて
大阪希望館名誉館長 難波利三
人生に躓(つまず)き、絶望の淵に立たされた人に、そっと手を差し延べる。今、手を差し延べている人が、逆の立場にならないとも限りません。
そうですお互い様なのです。人は一人では生きられません。人は人によって、お互いに生かされているのです。だから卑下(ひげ)する必要はありません。見下す理由もありません。
お互いの命を大切にして、生きる喜びを分かち合う。その強い思いが、大阪希望館活動の源(みなもと)だと確信しています。厳しい状況の中、共に手を携(たずさ)えて前進しましょう。